静寂ノ声

声にならない叫びをありのまま書きつける。

【旧帝大英語リレー 2/8】2018・東北大学

旧帝大英語リレー第2回は東北大学です。

第1回北海道大学でした。

zekkiyoumachine.hatenablog.com

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まあ、各回の内容は独立してますので前回のを読まなかったからと言って別に何も不利益はないんですが。

前回酔いに任せて雑に書きすぎたので今回は少し固めの文体で書きますね。

 

 

 

 

1.構成

全体の構成を簡単に書いときます。

  • 東北大学大問4題(長文×2、会話文×1、和文英訳×1)。会話文問題の最後の設問は自由英作文。
  • 制限時間は100分。読解絡みの問題が3つあり、解答の記述量も多めなので少し時間は厳しめか。

 

2.難易度

全体的にやや難

本文のレベルは総じてセンターより高い。全国大学入試問題正解の編者に言わせれば「センター」かもしれないけど、明らかにセンターレベルではないよ。

※ そもそも全大入の編者は迷ったら「センター」と書いてるのであいつのセンターレベルはあてにならない。全国の入試問題6割方センターレベルとかそんなわけねえだろ

 

設問も結構重い。和訳問題はだいだい3~4行で、単独の文でない場合もある。また、内容説明の問題が結構難しい。和文英訳も結構難しいが東北大学側の配慮が見て取れる問題となっているように感じられた。これについても書きたいのだが、この余白はそれを書くには狭すぎる。

 

3.気になった問題

今回は気になった問題(具体的には第1問の問2)だけにスポットを当てる。

thisの指示内容を聞く問題。指示語問題と言うと易しそうに見えるが、実はここの問題は予備校によって解答が分かれている

 

東進の解答

全ての家族が頻繁にコミュニケーションをとっているわけではないが、全てがコミュニケーションのない孤立した家庭として存在しているというわけではないこと。

 

代ゼミの解答

すべての家族がひんぱんに交流しているわけではないが、様々な形で交流する機会はあり、すべての家族が孤立した家族として存在しているわけではないということ。

 

駿台の解答

家族は様々な場面で様々な形で様々な情報をやり取りしており、全ての家族が孤立しているわけでもない、ということ。

 

河合塾の解答

家族の研究において、おじやおば、おいやめいのようにあまり注目されていない親族も、互いに連絡を取り合ったりしていて、実際の経験からそれぞれにとって重要な存在であるということ。

 

東進は直前の文をまるまる和訳した解答、代ゼミは東進の解答に直前の内容をちょっと付けたした解答、駿台は同段落の "Family members"以下をまとめた解答、河合塾は同段落の1文目を中心に訳出した解答を書いている。

東北大が東進のような解答を求めているとすれば標準的な問題なのだが、そうではないような気がする。

 

せっかくなので私の解答も公開しておく。

 

絶起用マシンの解答

家族の構成員の中には頻繁にコミュニケーションを取らない人もいるかもしれないが、それでも何らかの形でコミュニケーションをする機会はあるため、完全に無関係だとも言いがたいということ。

 

これを見ると私の解答が異端児であるように思えるかもしれないが、このような解答になったのには理由がある。少しめんどくさいがこの段落全体をすべて打ち込む。便宜上文ごとに改行して番号を振る。なお、私が解答根拠にしたのは東進や代ゼミと同じで文(4)だ。

(1)The invisibility of aunts, uncles, nieces, and nephews, as well as relationships among adult siblings more generally, in the field of family studies contrasts sharply with the lived experience of actors who know quite clearly the importance of each to the other.

(2)Family members rather commonly talk among themselves, visit, phone, e-mail, circulate family photos in person or via websites, and celebrate holidays, birthdays, and anniversaries.

(3)In their contacts, they share news and gossip, and all of this occurs across households of grandparents, parents, adult siblings (some of whom are single), and close friends, including coworkers.

(4)To be sure, not all families are in frequent communication, but then not all exist as isolated households.

(5)One need only recall travel patterns on major North American holidays to confirm this.

(2)でfamily membersという表現が出てきて彼らがコミュニケーションをとっているということがわかる。また、(3)文目では their contactsという表現で「family membersのコミュニケーション」を受けており、そこでは親しい友人や同僚も含めていろんな人がコミュニケーションをとる、というふうに書いている。

つまり、コミュニケーションをしているのは家族対家族ではなくその構成員同士であるということだ。それをはっきりさせたかったので私は解答を「家族の構成員」という表現を使って書いた。それに基づいて "isolated households"を解釈し直して私の解答が完成する。

東北大が公式解答を出していないので何が正解と扱われるのかはわからないが、もし私の解答が正解に近い(familyを家族の構成員と解釈し、それに基づいてisolated householdsの意味を考え直す必要がある)とすれば、この問題はかなりしんどいと言えると思う。

 

 

今回の記事は以上です。

私はこの後夕飯を食べてから第3回の大阪大学に取り組みます。また記事にします。

 

P.S.

最初は第1問すべてを書いていたのですが、あまりに長くなりすぎたので適切な長さに縮めてたらこの記事を書き上げるのに2時間も使ってしまいました。