静寂ノ声

声にならない叫びをありのまま書きつける。

【旧帝大英語リレー 7/8】2018・京都大学

旧帝大英語リレー,第7回は京都大学です。

実は京都大学の英語が国公立大の入試の中で最も難しいのではないかと思っています。

 

過去の記事についてはいつも通り以下のリンクからどうぞ。

【旧帝大英語リレー 1/8】2018・北海道大学英語 - 静寂ノ声

【旧帝大英語リレー 2/8】2018・東北大学 - 静寂ノ声

【旧帝大英語リレー 3/8】2018・大阪大学(外国語学部以外) - 静寂ノ声

【旧帝大英語リレー 4/8】2018・大阪大学(外国語学部) - 静寂ノ声

【旧帝大英語リレー 5/8】2018・名古屋大学 - 静寂ノ声

【旧帝大英語リレー 6/8】2018・九州大学 - 静寂ノ声

 

1.構成

  • 大問4題構成で,内訳は長文問題×2,和文英訳×1,条件英作×1。今年度の和文英訳は日本文の途中に空所があり,その部分は自分で考えて補充したうえ訳させる問題になっていた。
  • 京都大学が最も特徴的なのは設問数の少なさ。50点ずつの配点がされている長文問題は,それぞれ小問が3つしかない。大問1の(3)にある空所補充を1問と数えると,小問数は合計11しかない。
  • 制限時間は120分。先ほど言った通り設問数が少ないから一見すると時間に余裕がありそうだが,実はかなりハード。大問1の和訳問題は1段落ぶん(5行+α),大問2の和訳(2問)は4行半と4行+αで,和訳問題の解答量が多い上に,その部分の構造が複雑だったり難しい語彙が含まれていて前後をヒントに特定しなければならなかったりと負担は大きめ。時間制約が厳しいというほどではないが,意外と余裕がないことを知っておきたい。

  

2.難易度

  • 大学入試全体での京大英語の難易度は。時間との兼ね合いを無視すればおそらく国公立大の入試の中ではもっとも難しいと言える。
  • 長文問題の本文はともに500語台で旧帝大にしては短めだが,本文レベルはやや難。これでも例年に比べると易しいほうだと思われる。
  • 今年度のセットの場合,大問1・2の長文がやや難,大問3の和文英訳がやや難, 大問4の条件英作文が標準といったところで,京都大学にしては易しめのセットだったように思われる。

 

3.設問別概観

京大は小問数が少ないので,今回は北大の回と同様ざっくりと全問をみていく。解説ではなく感想を述べる程度にする。

 

大問1

問(1) 内容説明(やや難)

下線部 "the savior complex" の内容を説明する問題で,他大学でもよく見る形式。ただ今回の問題は解答根拠が2文にまたがっており解答をまとめ上げるのが他の問題と比べて少し難しかったため,「やや難」とした。

 

問(2) 英文和訳(難)

京大のお家芸「和訳」だが,この問題は難しい。和訳を求められた部分を抜粋する。

All of which is to say that how you help matters just as much as that you do help, which is why it is essential to begin by asking, "How can I help?" If you start with this question, you are asking, with humility, for direction. You are recognizing that others are experts in their own lives, and you are affording them the opportunity to remain in charge, even if you are providing some help.

最初の1文が結構鬼畜で,which is to say「つまり」という熟語を知らないと一気に訳文が崩壊するしくみになっている。国公立大学の和訳問題はそういう知識をひけらかすための場ではないと個人的には思っているのだが。あとは斜体のhowdoをいかに訳に反映させるかも難しいし,関係代名詞のwhichが邪魔して解答に自信がもちづらい。しんどいなあ。

後半2文は,humility「謙虚さ」を除いて標準レベルを逸脱するような語句は含まれていないが,be + Vingを上手く訳に反映させるのが難しい。

 

問(3) 空所補充(標準)

空所の直前がすべてtoであるところ,ダミー選択肢が1個含まれているところがめんどくさそうだが,本文をしっかり読んで吟味すればそれほど難しくない。

 

 

大問2

問(1) 内容説明(やや難)

First, Secondで誘導はされているが,なにせ離れすぎていてどこまで書けばいいか迷う。てか解答欄の大きさどのぐらいですか??

 

問(2) 和訳(やや難)

rendezvousとtrajectoryは殺し。trajectoryの方は流れでいけるかもだが,rendezvousは直後のwithから意味を絞っていくのが正攻法じゃないかな。この殺しを超えれば,冷静に分析すりゃ書けるけど,殺しが強すぎ。

 

問(3) 和訳(やや難)

落ち着いて解けば,語彙レベルが高すぎないので書きやすい方だとは思うが,network,underutilized,fields of view,struggle to Vの訳出あたりは慣れていないとしんどい気もする。

 

 

大問3 和文英訳(やや難)

ブランクがあるからしんどそうに見えるかもだけど,ブランクは日本文を参考に埋めるのでさして難しい作業ではないし,普段より和文が易しめだから実は例年より易しい。

 

大問4 条件英作文(標準)

ほんとに京大?

書くべきことも悩まないし,ひとこと書くだけなので誰でもチャレンジできそうだね。

 

 

 以上です。

今回は平穏でしたね。

次回がラスト。灯台 東大です

東大の記事は下手すると2個にわけるかもしれませんが。(→追記:分けることにしました。)

 

じゃあね。

 

P.S.

記事が雑とかいわない。